中国・上海の雑踏

(福島 香織:ジャーナリスト)

 世界一の人口大国で、ついに人口減少が始まった。

 1月17日に行われた中国国家統計局の記者会見で発表されたデータによると、2022年末の中国の全人口は14億1175万人で、前年末より85万人減少した(香港、マカオを除く)。出生人口は956万人で、72年ぶりに1000万人を切ってしまった。人口出生率(人口1000人あたりの出生率)は6.8パーミル(‰)。死亡人口は1041万人で死亡率は7.4パーミル。人口自然成長率はマイナス0.6パーミルである。

 性別構成をみると、男性7億2206万人、女性6億8969万人で、性別比率は女性を100とすると男性104.7人。年齢構成をみると、16~59歳の労働年齢は8億7556万人で全人口比は62.0%。60歳以上の人口は2億8004万人で19.8%。65歳以上の人口は2億978万人で14.9%。

 都市と農村の人口構成をみると、都市常住人口は9億2071万人で前年末より646万人増加。一方、農村常住人口は4億9104万人で731万人減少した。都市人口が全人口に占める割合は65.2%で前年末より0.5ポイント増となった。

 こうしたデータが示すのは、中国はもはや世界一の人口大国ではなくなったということだ。インド人口は2022年末に14億1200万人と推計されている。少なくとも2023年にインドが世界第一の人口大国となっていることは確実だ。

 この中国の人口減少は一時的なものなのか。それとも今後、不可逆的に人口は減少し続けるのか。そして、もし続くとしたら、それは世界にどのような影響を与えるのか。