米国には「反乱法」*1がある。

 同法に基づき、出動する軍隊は米陸軍第101空挺師団(1万8000人)だ。ケンタッキー州フォート・キャンベルに駐屯する。

*1=「反乱法」は、大統領が州の状況について連邦法の執行が不可能と判断した場合や、市民の権利が脅かされているとみなした場合、州知事の承認は不要だと定めている。この法律は1807年に制定された。大統領に対し、「ネイティブ・アメリカンの敵対的襲撃」への防御として、国民軍の出動命令を認めるものだった。

 その後、国内の騒乱対応や市民権を守る目的でも連邦軍を活用できるよう、権限が拡大された。

https://today.tamu.edu/2020/06/05/can-the-president-really-order-troops-into-us-cities/

https://en.wikipedia.org/wiki/Insurrection_Act_of_1807#:~:text=The%20Insurrection%20Act%20of%201807,disorder%2C%20insurrection%2C%20or%20rebellion

 皮肉なことに、トランプ氏は大統領当時、2020年5月から6月にかけてミミネソタ州ミネアポリスで起こった暴動2の際に「反乱法」を適用して第101空挺師団を出動させようとした。

 結局、出動命令は出さなかった。

*2=黒人のジョージ・フロイド氏が警官に射殺された事件を受けて、市民による抗議の余波からデモ隊が暴徒化した。建物破棄、放火、略奪など被害総額は5億ドル。逮捕者は604人。

https://en.wikipedia.org/wiki/George_Floyd_protests_in_Minneapolis%E2%80%93Saint_Paul

 やや先走りしすぎたが、今回ご紹介したおどろおどろしい2冊の本は、サスペンス・ドラマではないことだけはお断りしておきたい。