トランプ氏には“身内”からも厳しい声が上がり始めた

「大統領記録・連邦記録法」を知っていた

 米連邦捜査局(FBI)によるドナルド・トランプ前大統領の邸宅「マール・ア・ラーゴ」の家宅捜索の対象に、核兵器に関連する機密文書が含まれていた。

 捜査対象となった文書がどの国が所有する核兵器の情報なのか、実際に文書が回収されたのかは確認できていない。

 すっぱ抜いたワシントン・ポストはこう報じた。

「核兵器の専門家たちは、米国が持つ核兵器の情報が流出すれば、対抗システムの構築を図る敵性勢力に道筋を示すことになる」

「前大統領宅の家宅捜索という前代未聞の捜査当局の対応は、安保上の深刻な懸念を裏付けるものだ」

https://www.washingtonpost.com/national-security/2022/08/11/garland-trump-mar-a-lago/

https://www.washingtonpost.com/national-security/2022/09/06/trump-nuclear-documents/

 おさらいになるが、トランプ氏の行動は明らかに「大統領記録・連邦記録法」(Presidential and Federal Record Act Amendments of 2014)違反だった。

 同法は、大統領(および連邦政府職員)に対し、在任中に保管していた公文書を退任時に米国立公文書記録局(National Archives and Records Administration=NARA、通称米国立公文書館)に移管することを義務付けている。

https://www.archives.go.jp/publication/archives/no057/4385

 トランプ氏はホワイトハウスから機密を含む公文書を持ち出したが、今年になって一部を返却した。

 しかし、捜査当局は「ディープスロート」(内部通報者)からの情報でトランプ氏がほかにも機密文書を保管していると断定し、8月8日に家宅捜索に踏み切った。