そして2020年7月、突然、李金早は汚職で失脚。今年4月に懲役15年という重刑が確定して獄中にあるが、具体的にどういった汚職容疑かははっきりとは報道されていない。李金早の汚職は習近平に抜擢される前の広西チワン族自治区の官僚時代に起きたものらしいが、本当のところはトイレ革命の失敗をうやむやにするために、李金早を汚職で失脚させたのではないか(汚職自体はほとんどの官僚がやっている、それを摘発されるのは政治的理由が多い)、と当時は噂された。

・廖国勲

 失脚ではないが、今年4月27日、天津市市長で副書記の廖国勲が急死している。原因は伏せられているが、「自殺」らしい。

 彼も習近平のお気に入り官僚で、新型コロナPCR検査利権に絡む人物とみられていた。コロナ対策のストレスによって自ら自殺を選んだのか、あるいはゼロコロナ政策の影にある利権・汚職問題を隠蔽するために「自殺させられた」のか、いろいろ想像力を羽ばたかせた噂が飛び交っている。

 ちなみに廖国勲死後に市長の職務を引き継いだ張工は国務院系と呼ばれる李克強派の人間。自殺にしろ、過労死にしろ、暗殺にしろ、廖国勲の死は、習近平のゼロコロナ政策は失敗とする見方を補強することになった。

・陳全国

 習近平のお気に入り官僚といえば、新疆ウイグル自治区で習近平の肝いり政策・ウイグル人強制収容政策(ウイグルジェノサイド政策)を猛烈に推し進めた元自治区書記の陳全国が、昨年12月にいきなり書記を免職され、どうなったかと思っていたら、党中央農村工作指導小組の副組長というかなり格下の職位に異動となっていた。

 チベット、ウイグルの両自治区書記という華麗な行政経験から次期政治局常務委員入り確実とみなされていた陳全国が、このように突如出世レースから脱落したのは、習近平のウイグル政策が党内で失敗だと結論づけられ、その責任を習近平の代わりに負ったという見方で正しいだろう。

・楽玉成

 外交部次官で次の外交部長(外相)の座が約束されていると言われていた楽玉成も6月14日、突然、国家ラジオテレビ総局副局長に異動した。ロシア通で習近平の親ロ外交路線を支えてきた習近平のお気に入り外交官が、専門外の国家ラジオテレビ総局に左遷させられたのも、習近平の親ロ外交が党中央から失敗と結論づけられ、その責任を習近平の代わりに負わされたといえる。