昨年11月末には、中央規律検査委員会と国家監察委員会は、10件におよぶ糧食購入販売における典型的な違法行為があったと発表している。具体的には湖北省や陝西省、重慶市、雲南省などの食糧備蓄当局や関連企業による贈収賄、公金横領などの事件だ。こうした地方は、いずれも習近平派の官僚の影響力が強い地域だ。

 張務鋒の失脚については、ニューヨーク在住の華人評論家の陳破空が面白い分析をしていた。これは、反習近平派が中央規律検査委員会書記の趙楽際(政治局常務委員)と組んで習近平を追い込む権力闘争の結果という。

「失敗」した官僚たちの末路

 習近平は自分の権力掌握のために国家機構改革を行い、自分のお気に入りの官僚を抜擢し、「大躍進」的運動型の政策をいくつも実施している。しかしその多くがすでに失敗している。何人か列挙してみよう。

・李金早

 たとえば2017年に習近平が打ち出した「トイレ革命」は、中国人民に清潔なトイレを提供し、人民の生活の質を向上させるという名目で、その任務を李金早(当時の国家文化旅游局副局長)に一任した。

 この政策では立派なトイレを3年以内に何万戸つくるという大号令が発せられ、2017年暮れには1年だけで7万のトイレをつくった(初期計画では3年で5.7万戸という目標だったがそれを大きく超えた)と成果が喧伝された。だが、実際は観光客も行かないような貧しい農村やへき地に、水や電気が通っていない、見た目だけ立派なトイレをつくったにすぎず、現場の官僚や農民たちからは非常に不評だった。