遊休農地再生の第一歩はコンビニ15店分の草刈り
お借りした4枚の畑は計3000m2弱。ローソンの「出店ガイドライン」によると、路面店舗の店舗面積は60坪(約200m2)だから、およそコンビニ15店分に値する広さだ。
この規模の草を刈っていくという作業は、もちろん1日では終わらない。連日となると、体力的にも精神的にもきつい。作業用のゴーグルが汗と湿気で真っ白に曇っても、そこには誰も笑ってくれる人はいない。ただ黙々と、ゴーグルをふき取り、また草を刈り始めるだけだ。
いずれの農地も、かつては柿畑として使われていた。だが、直近まで耕作されていた場所とそうでない場所とで、荒れ具合は大きく違った。少しずつ草刈りを進め、荒れ地で伸び切った雑木はチェーンソーで処理。そうする間にまた草は伸び、トラクターで耕うんするまでに草刈りは2周した。
周囲の農家さんは、一様に「草のおもりが大変だ」と口をそろえる。それは、草刈りという作業の非生産性にも起因する。作物に手をかけるわけでもない、収穫の喜びを味わうための作業でもない。だけど、春から秋にかけて年6~7回はこれに時間を費やさなければならない。そんなおもりが、高齢化した農家さんたちを疲弊させている。