英国のリズ・トラス外相は今回の「文書」発表を受けて、「新疆地域における中国の人権侵害のこうした詳細は衝撃的であり、ぞっとするような迫害である」と表現。改めてバチェレ国連人権高等弁務官の訪中への関心を示した。

 トラスは「中国には、国連人権高等弁務官にパーフェクトで制限のない新疆における実地調査を許可し、現地の実情を徹底的に評価できるようにしてほしい。今週の彼女の訪中に強い関心を寄せている。もし彼女が新疆地域を自由に動けないようであれば、これは中国が新疆で行ったことを隠蔽しようとしているということに他ならない」と語った。

 この日、英国下院では緊急弁論が開かれ、超党派で英国政府に、ウイグル問題について中国に対してさらに一歩進んだ対応をとるように求めている。

 またドイツのベアボック外相は5月24日、王毅外相とのオンライン会談で、「人権は国際秩序の基盤であり、ドイツは世界でこれが守られるよう関与する」と述べ、「人権侵害に関する衝撃的な報告と新たな証拠」(新疆公安文書)について「透明性のある調査」を要請した。

 さて日本政府は、いまだウイグル・ジェノサイドを認めていないし、対中制裁にも積極的でないが、果たしてこのままでよいのか。いまだ新疆コットンや新疆ウイグル自治区製の太陽光パネルなどに恋々としている企業も、改めてこの問題を考えてほしい。