「特に海外から帰ってきた奴は、見かけたら捕まえろ。重罪犯扱で処理せよ。まず手錠をかけて、袋を頭にかぶせよ。克州の公安局は深刻な過ちを犯している。キルギスタンから帰国した奴をウルムチで拘留して数日観察したところ安全だったのでカシュガルに連行したが、カシュガル空港でそいつの荷物からナイフが出てきた。なぜ荷物をしっかり検査しなかったのか。・・・彼は犯罪分子だぞ、犯罪分子に慈悲をかけるとは、人民に対する犯罪だ・・・」

 また、文書の中に、再教育施設における室外活動中の逃亡予防についての指示書があった。「7人で警備し、そのうち2人が銃を持つこと。逃げ出そうとしたらまず言葉で制止し、警告に従わねば威嚇発砲し、それでも言うことを聞かないようなら銃殺せよ」とある。威嚇射撃の後は、足を狙うとか、そういう中間の対応はなく即銃殺なのだ。

習近平の直接的な関与が明らかに

 陳全国が行った演説原稿(2018年6月18日)には、中央政府と習近平自身がこの大規模なウイグル人強制収容キャンペーンに直接的に関わっていることが触れられている。

 陳全国は趙克志の講話を総括する形で、「趙克志同志の重要講話は、習近平同志を核心とする党中央の党による新彊統治方略を体現し、総書記の指示と要求を体現している。我々は真面目に学習し貫徹し、思想と行動を総書記の新疆統治方略の上で統一させよう・・・」と語っている。趙克志の2018年6月15日付けのウルムチでの演説原稿もリーク文書に含まれているが、そこでも習近平の直接指示の発言が引用されている。

「習近平同志はこう言っている。新疆の任務は全国の大局に関わる問題である。新彊という1つの地域の事情ではない。全党・全国のことなのだ」

 また陳全国は内部講話で、「4つの打破」をパーフェクトに行えた、と祝意を評している。「4つの打破」とは、ウイグル人の根源を打破し、血統を打破し、関係を打破し、起源を打破する、という意味だという。これを民族の遺伝子を抹殺すること、すなわちジェノサイドといわずして何と言おう。