というか独ソ戦以降、ソ連~ロシアはまともな先進国同士の間で戦火を交えたことが実はなかった。
フルシチョフ体制下、キューバ危機などの米ソ冷戦が「冷戦」で止まってくれたから今の人類があるわけです。ただし全面戦争がなかった代わりに東西ベルリンの間に壁が作られもし、「冷戦後期」無数の悲劇も生まれてしまいました。
過去の戦勝体験を神格化するという「失敗の本質」に、プーチンのみならずゲラシモフ以下のプロ軍人も足元を掬われていた。それが今回、もろに露呈した。
ロシア「陸軍最強」の風説は、単なるこけおどしでしかないとばれてしまった。
「巡洋艦モスクワ」轟沈が象徴するもの
ロシア軍の連戦連敗はまた、北朝鮮にとっては悪夢と映っていることでしょう。兵器の威力という点ではおそらく中国も同じだと思われます。
建国以来一貫して兵器をソ連~ロシアに頼る北朝鮮にとって、ウクライナのロ軍敗退は、もし本当に開戦してしまったら、平壌で何が起きるかの近未来地獄絵図と見えるはずで、「火星17」ロケット花火なぞ打ち上げて見せている(https://www.bbc.com/japanese/60871358)。
原理的にこの戦争でロシアに勝ち目はないと私は思います。また北朝鮮は仮に本当に戦端が開かれてしまえば「電撃戦」で終わる可能性が高いでしょう。これはあくまで、私の「主観」です。
しかし、合理的な根拠があります。正味で「冷戦ど真ん中」1970年代の戦車でウクライナに侵攻し、ブチャやキーウ、マリウポリの市民を蹂躙。見せしめに殺した市民の遺体を街路に放置する占領地の恐怖統治など「弱い者いじめ」しかできていません。国連も戦争犯罪摘発に動き始めました。
これに対して、ウクライナ軍が米国ほか西側から供与される武器は「冷戦崩壊後第3世代」2010年代のAI制御「ドローン搭載ミサイル」ですから、最初から歯が立つわけがありません。
片や1.7トンの対戦車ミサイルを搭載して14時間、不眠不休で飛び続ける「MQ-9リーパー無人機」。
対する側は、数時間に1回は「大便休憩」でハッチを開け、持ち場を離れ兵士が無防備にパンツを下ろし野原にしゃがみこまねばならないプレジネフ・モデルの「T72 」ソ連戦車。
両者が5~6時間も戦闘を続ければ、生身の兵隊はお腹がゴロゴロ言い始めますし、疲れを知らないAIは一瞬のスキも見逃しません。
何が起きるかは火を見るより明らか。