現在ウクライナ戦争にも主力投入されているロシアの「T72(ウラル)」なども、トイレは配備されていません。1台3人の乗組員は、戦車の中で飲食はできても、用便は原則、不可能。
実際には「小」の方は、ペットボトルでも何でも持ち込んで凌ぐ工夫もできるでしょう。しかし、飲食もする狭い空間に3人配備の中で「大便」の余地はない。
つまり、戦車の乗員が大便するためには、車内の配備位置を離れ、外に出、野原などで用を足すことになります。
こう考えると、まだ実践投入されたことのない「T14」へのトイレ装備は「画期的」です。「大便休憩中」に襲われたら、戦車はひとたまりもありません。
ロシア兵はこの環境、いつまでもつ?
ちなみに前稿(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/69717)にも記しましたが、私の父は関東軍に配備された学徒出陣の二等兵でソ連戦車と戦っており、タンクの上蓋を開けて出てきたソ連兵を狙って撃った、と生前話していました。
用便のために出てきて、狙撃されたソ連兵も間違いなくいたはずです。ところがそういう「意外な弱点」を放置するのが、全体主義の盲点でもあり、弱点でもあり得たわけです。
ちなみに現在のウクライナ戦争の主力戦車「T72」は、なぜ「72」と呼ばれるのか?
答えは1971年に開発されたから。つまり第2次世界大戦後、ブレジネフ書記長体制下のソ連で開発された「第2世代」戦車が今でもロシア軍備の中核としてウクライナ戦争に投入されている。
さらに戦法がクラシックなのが致命的です。
戦車軍団と歩兵中心、ほとんど1940年代ナチス。ロンメル元帥と変わらない「電撃」戦法を、2022年の今日に至ってもロシア軍は採用している。
よほどナチス~対ナチス戦が好きなのですね。