拒否権制度の悪弊を日本は強く主張すべき
──実際、安保理と拒否権を巡る改革は実現するのでしょうか。
浅田:これも非常に困難です。拒否権をやめたり、制限を加えたりするためには国連憲章を改正する必要がありますが、その改正には、最終的に安保理の5大国を含む国連加盟国の3分の2の批准が必要だからです。
難しいことではありますが、ロシアの侵攻で問題が顕在化したことにより、少なくとも聞く耳を持たれるという状況にはなるでしょう。ゼレンスキー大統領も安保理での演説で、拒否権の問題を取り上げました。
日本はかねてより、安保理改革の必要性を訴えてきました。日本も常任理事国入りしたいという話が中心ですが、それは拒否権ともリンクしています。この機会に、拒否権制度の悪弊について強く主張するということは大事だと思います。
この問題で積極的に旗を振っていくということは、国際社会の中で日本が果たせる役割の一つであるとも言えるでしょう。