在宅副業するなら「仕事のリストラ」をせよ

 実際に在宅の副業で稼いでいる人は、どのように収入をアップさせたのだろうか。パソコンを使って、自宅で事務の副業をしているという50代女性に話を聞いてみよう。

 Eさんはひきこもり気味の娘さんに寄り添うため、正社員として働いていた会社を50歳でセミリタイア。元の会社に週3回通勤しながら、在宅で副業をしてきた。

「在宅副業で月に5万円以上稼ぎたいなら、『副業』という考えは捨てた方がいいです。『もう一つの本業』という気持ちでやらないと、収入にはつながりません」

 副業開始から5年、Eさんは現在、副業で月に10~15万円ほどの副収入を得ているという。EさんはDさんと同じように、プログラミングなどの特別なスキルはない。パソコンで、ちょっとだけ高度なオフィス作業ができるレベルだそうだ。

「私の場合は、リストカットをしてしまう娘を見張らなくてはいけないという事情があり、自宅でできる仕事を探していました。最初から高望みして、高報酬の仕事に応募しても、50代はなかなか採用してもらえません。それより、安くてもできそうな仕事を複数同時にやってみるといいと思います」

 Eさんはいくつかの仕事に並行してチャレンジし、コスパの悪い仕事はどんどん辞める「仕事のリストラ」をしていったという。

 引き受けた仕事のうちの一つに、月3万円で、とある会社の事務作業をするという案件があった。仕事を発注していたのは、若者が数名でやっているような小さなIT企業だったという。

 Eさんは完全在宅で、スタッフの給料の支払い手続きや、ちょっとした調査、データ入力などの仕事を頼まれた。しかし仕事は時給ではなく、月極めなので、仕事を振られれば振られるほど割に合わなかったという。

「ハッキリ言って、時給300円くらいのレベルでした。時間ばかりかかって、全く収入に結びつきません。しかし、在宅でできるのだから、通常の給料の半額以下でも仕方ないと考えることにしたんです」

 そんな割に合わない仕事を3カ月ほど続けた結果、Eさんは発注者に報酬の不満を述べた。すると、Eさんの誠実な仕事ぶりが評価され、最終的には月10万円の業務委託契約を結ぶことになったという。