社長はシロアリの気持ちがわかる虫マニア

 社長の山下氏は無類の虫好き。幼いころから虫が大好きで40年以上虫を観察し続けている。いつのころからか、虫の触覚のちょっとした挙動から、怖がっているか、喜んでいるか、虫の気持ちがわかるようになった。

 シロアリは危険に気づくと大げさに防御する傾向がある。だからシロアリに防除の仕掛けを危険だと思わせてはいけない。シロアリが危険だと思えば、仲間に「この場所からは離れた方がいいぞ」と大げさに伝え、危機を回避する。

 ところが、そんなシロアリも、いくつかの条件下で特定の餌を与えると、恐怖を忘れ、危険を顧みずに餌を貪り食うようになるという。

木材を食べるシロアリ(写真:アフロ)

 山下氏は、そうしたシロアリの感情や習性を観察し、独自のシロアリ誘導装置「シロアリ絆創膏」を開発した(特許取得済)。シロアリが今まさに食べている箇所に「シロアリ絆創膏」をつけると、近くにいるシロアリが数日以内にすべて絆創膏に集まるため、被害の進行をストップさせることができる。

 シロアリの巣に仕掛けるセントリコンでシロアリを根絶することができるが、施工開始から家屋木材を食べなくなるまでにはタイムラグがある。シロアリ絆創膏は、このタイムラグ期間中の被害の進行を抑えるための装置である。

 今では、ユーザーや工務店からの問い合わせが絶えない。一般家庭客の数は、山下氏の社長就任時から倍増、400世帯に達している。