(羽田 真代:在韓ビジネスライター)
韓国・文在寅(ムン・ジェイン)大統領の妻である金正淑(キム・ジョンスク)氏の衣装代問題が韓国で燃え上がっている。儀典費を公開するよう裁判所が判決したことに対し、大統領府が拒否した一件だ。この件が誌面を賑わすようになってからというもの、彼女にまつわる疑惑が次から次へと浮上している。
最近も、TV朝鮮が金夫人が懇意にしている有名デザイナーの娘が大統領府に勤めていることを「特別採用ではないか」と問題提起したことで、韓国人の怒りがさらに沸騰している。
金夫人の衣装問題は韓国内の問題であり、私費で購入していようが国費で購入していようが、日本には全く関係がない。「どうぞご勝手に」と言いたいところだが、二転三転する韓国大統領府の主張を聞いていると、「相変わらずだな」と滑稽に感じる。
この騒動を傍観していると、2018年に日韓間で大きな問題となった韓国海軍レーザー照射事件をどこか彷彿とさせる。一貫性のない文政権の主張が、自他国を問わず繰り広げられているのだ。
報道の中には、金夫人が身に着けていたブローチが2億ウォン(約2000万円)を超えるカルティエのものではないかという疑惑もあったが、これは小売価格50万〜100万ウォン(約5万〜10万円)の韓国製だったことが後に明らかとなった。
大統領府は疑惑を鎮火させることができて安堵しているようだが、韓国製だったことの方が問題ではないか。誰も言及していないようだが、カルティエそっくりのブローチを国内生産し、それを身に着けて外交していたことを文夫妻や韓国大統領府は恥ずべきだろう。
さて、本題に入りたいと思う。夫人が夫人ならば、夫君も負けていない。
金正淑氏の夫で現大統領である文在寅氏は、次期大統領の尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏及び次期与党となる国民の力の足をどうにかして引っ張ろうと躍起になっている。
この、文大統領による“尹イジメ”がメディアを通して報道・批判され、これを見た国民がまた彼らを批判する。夫婦揃って日に日に敵が多くなっていく印象だ。