儀典の衣装問題で叩かれている文在寅大統領と夫人の金正淑氏(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

(羽田 真代:在韓ビジネスライター)

 韓国で次期大統領に尹錫悦(ユン・ソクヨル/国民の力)氏が選出されて以来、文在寅(ムン・ジェイン/共に民主党)大統領を批判する報道がさらに増えたように感じる。

 政権交代によって、5月には現与党の「共に民主党」は野党に転落する。文政権下で圧力をかけられていた韓国メディアにとって、当然と言えば当然の流れであろう。

 例えば、大統領選挙の期間中に問題提起された文大統領夫人、金正淑(キム・ジョンスク)氏の衣装問題である。

「儀典費用を公開せよ」という裁判所の判決を不服として控訴した文在寅大統領サイドに対して、野党や国民は「金正淑氏の衣服代が国家機密であれば、大統領の任期満了後に装身具、服、ハンドバッグなどすべてを国に返還すべきではないか」という怒りの声は大きくなっている。

 また、新型コロナウイルスによる急激な感染者増加のため、文大統領の誇る「K-防疫」は崩壊しており、政府の対策を批判するメディアは増えている。尹次期大統領が進めている大統領府の執務室移転を文大統領が妨害している問題についても、各社が積極的に報道し始めた。移転賛成派から、文大統領を批判する声がよく聞かれる。

 その中で、過去にあまり取り上げられてこなかった文政権の問題点について、追加報道がされた。

「公務員人件費100兆ウォン(約10兆円)時代 文政権 5年間で13万人増やした(アジア経済 2022.03.28)」という内容だ。

 文大統領は5年前、公約として「公共部門の雇用を81万件創出させる」と掲げていた。彼はこの公約を守っただけなのだが、いかんせん内容がひどい。