「コロナ防疫を先導する」を自任していた韓国が、一日あたりの新規感染者数で世界1位、一日死亡者数で世界4位という不名誉な状態にはまり込んでいる。新型コロナのパンデミック初期に韓国メディアは日本で起きた「ダイヤモンド・プリンセス」の事態を大いに嘲笑していたが、今や韓国全体が「コロナウイルス培養皿」のような境遇に陥った。
3月20日の日曜日に発表された韓国の新規感染者数は33万人、累積感染者数は938万人にのぼる。韓国の総人口が5100万程度であることを勘案すれば、国民の約20%がコロナに感染した計算だ。さらに深刻なのは、重度の患者数と死亡者数の増加速度が次第に急ピッチになっていることだ。20日の新規重症患者数は1033人、死者は327人だ。この1週間で約2000人が新型コロナで死亡したが、これは累積死亡者の約1万人の2割を占める数字だ。
死者急増で火葬場がパンク状態
当然、自分の周囲にも死者が出始めている。
筆者の友人は先週、コロナの後遺症による肺炎で父親を亡くした。死亡からもう4日が過ぎたが、亡父の遺体はまだ病院の遺体安置所にあり、葬儀場はもとより、火葬場も予約待機中だという。
「やっと江原道の火葬場から連絡が入り、火葬日が決まったが、葬儀場のほうが到底押さえられそうもないので困っている。このままでは父を火葬した後に葬儀を行わなければならないようだ」
ソウル在住の彼の父親が江原道で火葬することになれば、「管外火葬」(居住する自治体外での火葬)となり、費用は5倍にもなる。
「病院の安置所でもこれ以上遺体を置くことができないというし、ソウルの火葬場はどこも1週間以上待たなければならないと言われた。費用の問題はともかく、こうしてまともに葬儀も行えないまま父親を送ることになってしまい、とても胸が痛い」