繰り返しになるが、本当にFISはホスト国への忖度はなかったのだろうか――。ここまで中国絡みで不可解な状況が頻発すれば、誰もが疑いの目を向けたくなるのも当然である。
不可解判定が続々と
他にも前出の事情通が先に述べた通り、今回の北京五輪では「明らかにおかしな出来事」が多々発生している。今大会初の金メダルを獲得したスピードスケート・ショートトラック混合2000メートルリレーにおいても中国は当初、準決勝で3位に終わって脱落と思われたところビデオ判定で2位の米国が失格となり、タナボタで決勝へ進出。これが「疑惑の判定」として欧米メディアから中国は今も激しい追及を受け続けている。
スピードスケート女子1500メートルに出場した日本の高木菜那も最後のバックストレートで優先とされているはずのアウトを滑っていながら、同走の中国選手とまるで意図的に遮られるかのように重なってしまい、スムーズにコースを入れ替われず失速した。結果として8位に沈んだ高木はレース後「横に出られない状況を相手は絶対分かっていたのに出てきた」と怒りを露わにしている。
ここまで“疑惑のオンパレード”となっている北京五輪。ホスト国の中国、そしてチャイナマネーに群がって媚び諂うかのように取り巻くIOC(国際オリンピック委員会)を含めた五輪関係各機関に対し、訝しく思わずにいられないのは筆者だけではあるまい。