波紋が広がっている。第94回「選抜高校野球大会」(3月18日開幕・甲子園、以下「センバツ」)の出場32校が29日に決まったが、東海地区の不可解な選出結果が多くの高校野球ファンや関係者に抱かせた疑念は、残念ながら今も膨らむ一方だ。
「サプライズ選出」と評するには、余りにも残酷な選考結果だった。東海地区から選ばれたのは、昨秋の東海大会で優勝した日大三島(静岡)と同大会でベスト4の大垣日大(岐阜)の2校だった。
当事者たちも予想外だった大垣日大選出、待機していた報道陣はゼロ
同日午後3時を回った頃、2校のもとにはセンバツの選考委員会からの朗報がもたらされ、両校の野球部関係者や部員たちが一様に喜びに沸き返ったのは言うまでもない。特に大垣日大の阪口慶三監督は出場決定の電話を受けると、その場で「ウソーッ」と絶叫したことを明かし、笑みを見せながら「100%ないものと思っていたので」と思わず戸惑いの本音も漏らしたほど。同校の多くの選手たちも「出場決定」を耳にすると明らかに一瞬目を白黒させていたという。
それは報道陣も実は同じでどの社も、まさか大垣日大が今年のセンバツ出場校に選ばれるとは思ってもおらず発表時に待機していたメディア関係者の人数は「0」。学校側も会見の準備すらしていなかったため、大慌てで対応に追われた。