岸田文雄首相(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

「先ほどバイデン米国大統領との間で約80分間、日米首脳テレビ会談、実施いたしました。

 会談ではまず、『自由で開かれたインド太平洋』の実現に向け、日米が連携し、同志国との協力を深化させることで一致するとともに、バイデン大統領の訪日を得て、次回日米豪印首脳会合を本年前半に日本で開催する考えを伝え、支持を頂きました。

 地域情勢に関する議論では、東シナ海、南シナ海、香港、新疆ウイグルを含む、中国をめぐる諸課題や北朝鮮の核・ミサイル問題について、日米の緊密な連携で一致するとともに、バイデン大統領から拉致問題の即時解決に向け、強い支持を得ました。

 そして安全保障については、私から、新たに国家安全保障戦略などを策定し、日本の防衛力を抜本的に強化する決意を表明し、バイデン大統領から、日米安保条約第5条の尖閣諸島への適用を含む揺るぎない対日防衛コミットメントについて発言がありました。

 中国については、かなりの時間をかけてやり取りを行いました。中国をめぐる諸課題について意見交換を行い、東シナ海、南シナ海における一方的な現状変更の試みや、経済的威圧に反対する、そして諸課題について緊密に連携していく、こうしたことで一致いたしました。

 台湾につきましては、台湾海峡の平和と安定の重要性、これを強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す、こうしたやり取りはありました」

 日本時間の1月21日夜、岸田文雄首相とジョー・バイデン大統領によるテレビ電話形式の日米首脳会談が開かれた。終了後、記者団の前に現れた岸田首相は、このように約15分にわたって会談の内容を説明したが、その模様をNHKの臨時ニュースで見ていたら、中国問題ばかりが出てきた印象だ。「中国にどう対処するか」は、すでに日本の国益そのものになっているのだ。

「日本は老いぼれた米国にしがみついている」

 今回、日米が改めて「中国包囲網強化」で一致したことで、今後は中国政府の反発も予想される。それに先立って、中国の外交関係者に聞いたところ、予想通り(?)激しい日本批判が飛び出した。

「日本にとって今年は、中国と国交正常化して50周年の記念すべき年ではないのか? 10年前の40周年の時は、日本が勝手に釣魚島(尖閣諸島)を『国有化』し、中国人民の猛反発を受けた。日本はあの時の教訓を忘れたのか?

 新疆ウイグルと香港に関しては、第一に中国の内政であって、日本に批判する権利はない。第二に、批判の内容がウソばかりだ。