失格になったのは政府要人を派遣しなかった国ばかり
一体どういうことか。絶対匿名の事情通は「今回の北京五輪では中国が大会ホスト国となっていることで、明らかにおかしな出来事ばかりが起こっている」と首を傾げ、このノルディックスキー・ジャンプ混合団体で起こった悲劇に関しても妙な怪情報が現地で飛び交っていると次のように指摘している。
「日本、ドイツ、オーストリア、ノルウェーはいずれも北京五輪に政府からの要人を派遣していない。4カ国は『外交的ボイコット』という言葉を用いておらず、ノルウェーも『コロナ対策』を一応の理由としてはいるが、中国政府から見れば面白いはずがない。
FIS内部で有力幹部がホスト国の中国に忖度し、この競技において失格を与えることで中国側の代役として“報復措置”を食らわす目的で超厳格な抜き打ち検査を対象国の女性選手に仕向けたのではないかと一部でささやかれている。
もちろん現段階では確証を得られるようなレベルではないが、そのように邪推でもしなければ辻褄が合わないぐらいに北京五輪のスキージャンプ混合団体の悲劇は不可解極まりなく、冬季五輪史上でも間違いなく過去最悪レベルの汚点と関係者の間で断じられている」
中国へ融和政策をとってきたアンゲラ・メルケル前首相に代わり、ドイツの新たな元首となったオーラフ・ショルツ首相は打って変わって「脱・親中路線」へ舵を切っている。昨今は経済面で大きく雪解けしてきてはいるものの、ノルウェーは2010年に中国の民主活動家・劉暁波氏に同国のノーベル賞選考委員会がノーベル平和賞の受賞を決めたことで中国と激しく対立して根深い禍根を残した経緯もある。また、オーストリア政府は中国の押し進める広域経済圏構想「一帯一路」に懸念を示しており、日本は米国の同盟国だ。
そう考えると9日に欧州メディア「Eurosport」などでも報じられたように、スキージャンプ混合団体に出場した中国の宋祺武が71.5メートルだったにもかかわらず審判5人全員が飛型点で一時的に20点満点を付けていた“事件”はもはや笑うに笑えない。こんな“ショートジャンプ”に対して電光掲示板に掲示された点数が満点となり、さすがに場内も騒然となったとのことだが、後に機器の技術的な問題によるミスと判明し修正されたという。しかしFISや審判側からの説明は未だに一切なく、真相は謎のままだ。