日本企業はデジタルトランスフォーメーション(DX)でどのように変われるのか――。
月極駐車場のDXという新しい分野を切り開いてきたハッチ・ワークの大竹啓裕会長が「DXの現場訪問」と題し、今話題となっている「企業経営者」にインタビューする新シリーズ。
今回は、不動産業界に特化したクラウドサービス『ESいい物件One』を提供する「いい生活」(東証第2部上場企業、https://www.e-seikatsu.info/aboutUs/profile.html)を取り上げます。
不動産物件情報管理データベースを軸に、全国の不動産業を営む法人に向けて業務効率化を推進する同社のCOO(最高執行責任者)北澤弘貴(きたざわ・ひろよし)さんにお話を聞きました。
前編はこちらから(https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/67669)
進まぬ不動産業界のDX
なぜ、不動産は取り残されたのか?
スマホの普及により変わりつつある不動産業界ですが、これまでどうしてIT化、DXが進んでこなかったか。
それを紐解くキーワードは「世代交代」です。
例えば上場企業ならば、経営者は5年、長くても10年で自然に世代交代がなされます。
しかし、事業としても廃れにくくオーナー経営者も多い不動産業界は経営者が代わるサイクルはとても長いのです。
結果的に「FAXでやれといえばFAXなんだ!」というように、導入時点で最先端だったものをそのまま利用し続けている。
社員も慣れてしまって、その後の最先端技術の検討導入が進んでこなかった。
これが不動産業界の遅れを招いたと思います。また、オーナー(大家)も同じ世代で、同様な状態が続いていたのも理由と考えられます。