NORとNANDの構造の違い

 東芝の舛岡富士夫氏は、1984年にNORを発明し、1986年にNANDを発明した。しかし、現在フラッシュメモリの主流はNANDであるため、これまで筆者はNORに注意を向けたことが無かった。そこで、以下では、NORとNANDのメモリ動作の違いを改めて再確認するとともに、その市場規模の比較を行ってみたい。

 NORとNANDのメモリの違いを図4に示す。この図に使われている用語は以下の通りである。

・セル:電子を蓄えたり放出したりすることによりメモリ動作をするところ
・ワード線:セルを選択するための信号線
・ビット線:セルに書き込みを行うためのデータ転送線
・ソース線:ビット線の電圧を放電するための配線

図4 NOR型とNAND型の違い

 NOR ではビット線とソース線が各セルに接続されているため、1ビット単位の読み取りが可能となる。そして、ランダムな読み取りを高速に行うことができるが、書き込みは低速となる。加えて、各セルにソース線が必要になるため、高集積化が難しい。

 一方、NAND ではビット線とソース線が複数のセルに接続されているため、複数のセルに一括してデータを書き込んだり、消去することができる。その速度は速い。しかし、1ビット単位の読み取りはできない。ただし、NORには必須なセル単位のソース線は不要なため、高集積化がやりやすい。

 NORとNANDには、上記のような長所・短所があるため、図2に示したように、NORはプログラムの格納用、NANDは大容量のデータ記憶用に使われている。

 以下では、NORとNANDの市場動向を見てみよう。