(写真はイメージです/Pixabay)

(福島 香織:ジャーナリスト)

 中国の動画配信サービス「テンセントビデオ」が配信していた人気番組に「創造営2021」というグローバルアイドル・オーディション番組がある。この番組で嫌々ながらアイドルになってしまった利路修(リルーシュ)ことウラジスラフ・イワノフ君について、BBCが中国の「喪文化」と結びつけて解説する記事がなかなか興味深かった。

「創造営」も中国アイドルもあまり知らない、という人に簡単に解説しておくと、中国では、韓国の「Produce101」(通称「プデュ」)によく似た視聴者審査によるグローバルオーディション番組がこの数年人気を博しており、「青春有你」や「創造営」といった番組がシリーズ化され、社会現象とも言えるヒットを飛ばしている。いずれもテンセントビデオや「iQiyi(愛奇芸)」などの動画配信サービスや米国の有料テレビチャンネル「WeTV」などを通じてグローバルに視聴され、参加者も日本人を含むグローバルな顔ぶれとなっている。

 たとえば「創造営2021」は、90人が「練習生」として応募して、海南島の集団生活の中で、ダンスや歌唱のレッスンを受けながら成長していく様子をリアリティショー風の番組にしている。練習生は視聴者からの人気投票によって選別されていき、最終的に勝ち残った11人のうち上位の2位、3位、4位が日本人であったことが日本でもニュースになった。この日本人3人(サンタ、力丸、ミカ)を含む11人はアイドルユニット「INTO1」(イントゥーワン)としてデビューを果たし、複数の有名ブランドとの広告契約がすでに決定しているとか。「創造営2021」は2月17日から週1回の放送でスタート、全10回の動画再生数は50億回という驚異的な数字に達した。

 ここで取り上げたいのは「創造営2021」で最終的に17位まで勝ち残った練習生、利路修についてだ。