(古森 義久:産経新聞ワシントン駐在客員特派員、麗澤大学特別教授)
韓国の文在寅大統領が5月21日、米国のジョセフ・バイデン大統領とワシントンで会談する。この米韓首脳会談では、米韓同盟の強化や北朝鮮の核問題、中国への対応などが主要な議題になると同時に、日韓関係の改善も論じられるとみられる。
その際、文大統領は日本側の「非」をバイデン大統領に訴え、日本に対して有利な立場に立とうとする「告げ口外交」を再現するだろう、という予測が米国の専門家の間で語られている。
「米国カード」で巻き返しを図りたい文大統領
バイデン大統領は、5月21日に韓国の文在寅首相をホワイトハウスに迎えて会談を行う。対面で会談を行う外国首脳は、日本の菅義偉首相に続いて2人目である。
会談の実施を公式発表したホワイトハウスのサキ報道官は、「バイデン大統領は米韓同盟を強化し、両国間の協力をさらに拡大するために文大統領と協議することを待望している」と述べた。同時に両国政府筋から、今回の米韓首脳会談では、気候変動への対応や新型コロナウイルスの拡大防止などについて協議がなされる見通しが表明されている。