新型コロナウイルス感染症は収束しないまま、2度目のゴールデンウィークを迎えた。讃井將満医師(自治医科大学附属さいたま医療センター副センター長)が、第4波の現状を客観的データから分析し、今われわれがすべきことを考える。連載「実録・新型コロナウイルス集中治療の現場から」の第49回。

 新型コロナウイルス感染症が収束しないまま、2度目のゴールデンウィークを迎えてしまいました。コロナ禍が長引けば長引くほど「慣れ」や「疲れ」が生じるのは、やむを得ないことだと思います。あるいは、政府・行政の作為・不作為に対する不満が高まるのも当然でしょう。とはいえ、新型コロナ感染症が恐ろしい病気だという事実は、(少なくともワクチンが普及するまでは)変わりません。臨床現場で感染患者を診療している医師で、「コロナはただの風邪」「インフルエンザと同じようなもの」と考えている医師はひとりもいないはずです。

 では、この第4波において、一人ひとりは何をやるべきなのでしょうか? 慣れや疲れがある中ではとてもしんどいことですが、現在のデータを客観的に見て考えてみたいと思います。

緊急事態宣言を発出しない埼玉県の判断は妥当

 ただし、各都道府県によってデータが示す現況はかなり異なります。大阪府を中心とした関西圏は昨年(2020年)パンデミックが始まって以来国内最悪の状況が続いていますし(第47回参照)、東京都も1日の新規感染者数が1000人を超えてきました。また、緊急事態宣言が発出されていないものの、福岡県も急激に悪くなっています。ですから、お住いの都道府県が公表しているデータを見て、状況を把握していただければと思います。

 以下は、私が勤務する自治医科大学附属さいたま医療センターがある埼玉県の5月1日現在の状況です。