連載「実録・新型コロナウイルス集中治療の現場から」の第45回。緊急時用の医療体制への迅速なシフトなど、日本がイギリスに学ぶべき点とは?イギリスの新型コロナウイルス感染症対応について、讃井將満医師(自治医科大学附属さいたま医療センター副センター長)が英レスター大学の鈴木亨教授に訊く。
この年末年始、イギリスではイギリス型変異株によって感染爆発が起こりました。しかし、その後落ち着き、現在は他のヨーロッパ諸国と比べて低い水準に感染を抑えられています。イギリスではどのような対策が取られているのでしょうか。イギリスの循環器治療の中核病院であるレスター大学に6年前に着任され、当地の医療現場で闘っている鈴木亨先生にお話を伺いました。
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英国レスター大学医学・生命科学研究科副研究科長、循環器内科教授、レスター ・ライフサイエンス・アクセラレーター (イノベーション研究所)所長。東京大学循環器内科での勤務を経て、2014年に渡英。レスター大学の循環器内科教授として大学ならびに英国の循環器疾患の拠点病院である附属グレンフィールド病院で、臨床と研究の両方に従事。
讃井 まずイギリスの感染状況から教えてください。
鈴木 今年1月初旬には、最大で1日に約6万8000人の新規感染者が発生しましたが、今は10分の1以下にまで減っています。これは、ロックダウンの効果があったからだと推察されます。しかし、フランスやイタリアで感染者が増え、さらにエストニア、ハンガリーをはじめとする東欧で感染爆発が起こっており、それが今後波及してくるかもしれないので油断はできません。
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