そして報告された記録は日誌に書き留められ、後日、御用(性交した方)の妾の腹に子ができると、果たしてそれが将軍の胤(たね)かどうか、この日誌に照らし合わせて調べたのである。

 御台所にしろ、中臈にしろ、年齢が30歳に達すると「御褥御断(おしとねおことわり)」とか「お床御免」を申し出る慣行があった。

 つまり三十路になれば閨房(けいぼう:寝室)の勤めを辞退する慣わしである。

 それは若くて美しい女を常に将軍に循環させると同時に、後進の妾に途を開くといった意味もあった。

 だが、もし、三十路を超えても夜伽を勤めたとしたならば、御台所(正室)であれ中臈(妾)であれ、側の者の口がうるさく、男好きだの、湿深(しつぶか)などと噂にのぼった。 

 いつの時代でも男子は精子競争に勝ち抜き、女子は、より良き精子選択により、子孫繁栄を願うものである。

 こうした合理的生殖は時代を問わず、生きとし生けるものの獣性であり、願望なのだ。

『ニューズウィーク(日本版)』の人気企画「世界が尊敬する日本人100(2009年4月号)〈文化と言葉の壁を越えて輝く天才・鬼才・異才〉」で選ばれた下町の発明王の岡野雅行氏は、かつて、その著書『試練は乗り越えろ(KKロングセラーズ刊)』で、こう綴っている。

「男の願望が行き着くところは、毎日、女を換えて遊ぶことなんだ。もし、それをしていなければ、その男は建前や常識で我慢しているだけの話。男性本能というのは夫婦の絆を脅かすほど、強いものなんだ」

 結婚生活を維持していく現実。それは倫理と本能の鬩ぎ合い・・・、抜きつ、抜かれつ、雁行は繰り返される。

これまでの連載:

少子化問題を解決する一夫多妻、一妻多夫:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63939

「いのち」は処女の陰毛3本で救われる:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63557

神の性合で創造された「日出づる国・日本」:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63404

実はエロ歌だった童謡「ずいずいずっころばし」:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63164

養生医学の領域にあった男女の和合:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/63019

性行為はなぜ「エッチ」と呼ばれるようになったのか:https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/62844