1649年のクロムウェルの征服により、イギリスの最初の植民地となったアイルランド。1801年になるとイングランドに併合され、「大ブリテンおよびアイルランド連合王国」が成立します。アイルランドの歴史は、イギリスによる支配の歴史と言えるかもしれません。
イギリスはプロテスタントの国でしたが、アイルランド人の大半はカトリック信徒でした。そのためイギリスの支配下ではアイルランド人の社会的地位は低く、さらに彼らはとても貧しかったのです。
100万人以上が命を落とす大飢饉を経験
アイルランドの歴史で特筆すべき出来事は、1845~49年に起こった大飢饉です。これはアイルランドの主要作物だったジャガイモが不作になったことで発生しました。それでもアイルランドを支配しているイギリス人は、アイルランドからイギリスなどに食料を輸出することを止めませんでした。こうしたこともあり、この飢饉ではなんと100万人以上の餓死者が出たと言われています。
貧しいアイルランド人は、生き延びるために、アメリカ、カナダ、オーストラリアなどに移住しなければなりませんでした。彼らはより高い収入を得るために、海外に移住したのです。
アイルランドがイギリスから独立したのは、1922年のことでした。それからもアイルランドは貧しい国でしたが、20世紀末から状況は激変します。
2019年のアイルランドの1人あたりGDPは約8万ドルであり、世界第3位に位置します。今では高い給料に惹かれて、アイルランドに移住する人もいます。貧しかったアイルランドはどのようにして富める国へと生まれ変わったのでしょうか。