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 新型コロナウイルスの感染者増加で、医師や看護師が医療の最前線で必死に戦っている。過酷な労働環境で働いているのは、感染が疑われる人からの相談を受けたり、コロナ感染者が発生した際に必要な消毒作業を指示したりする保健所の職員たちも同様だ。ところが、そんな彼らの苦境に付け込んで、詐欺師たちが跋扈しているという。

疲弊する保健所職員

 保健所の職員が加盟する自治労は10月12日、全国の保健所を対象に実施したアンケート調査の中間報告を発表した。

 アンケートを実施したのは7月。その目的は、緊急事態宣言が出された4月の勤務状況などだった。

 中間報告によれば、回答があった32の保健所のうち48.3%で「サービス残業があった」との回答。なかには「過労死ライン」の80時間を大幅に超える186時間というケースもあったのだ。

 また、「人手は足りていたか」との問いには、84.5%が「足りなかった」と回答があり、中間報告の段階で保健所職員の過酷な労働環境の実態が浮き彫りになっている。

 コロナの第2波、第3波の到来で保健所の労働環境には改善の兆しも見えず、現在は土、日曜日の休日も返上して勤務している職員も少なくないのだ。そして、そんな保健所の窮地を、警察当局が別の観点から懸念しているのだ。

 警察庁関係者が言う。

「特殊詐欺犯を撲滅するためにも、一日も早くコロナが収束して、再び保健所の協力を得たいと願っています。いま、我々が危惧しているのは民泊です」

 どういうことか。