進歩主義者に取り込まれたバイデン候補

──民主党の中では極左とも言える進歩主義が影響力を高めています。バイデン候補は中道左派路線を取り続けることができるでしょうか。

酒井:バイデン候補が大きく左に振れていることは、もはや隠すことができないですね。グリーンニューディールの話を振られた時も、改めて「私は化石燃料の開発を止めることを提案したことはない」と明言しました。ただ、その後に2035年までのゼロエミッション達成は重要で、それは皆さんに雇用を提供すると、辻褄の合わない話をしていました。聞き返されると、今とグリーンニューディールが実現するまでの間の話だと示唆しました。

 極左が言っている、最高裁判事の数を増やすことについても、民主党内で決まっているのでしょう。今回のタウンホールでも回答を避けていました。

──バイデン候補の受け答えはいかがでしょうか。

酒井:静かで遅いというのが誰もが感じたことでしょう。また、数字などはしっかりとメモしてくればよかったのに、それをしていないために口ごもるシーンがありました。従来からの病状の問題の一片を見せました。

 ただ、9月29日よりも明らかに表情が元気だったのも明白で、これまでとは異なり、タウンホール後も会場への参加者と長らく話すなど、復活のイメージを感じさせました。私は医者ではないのでよくは分かりませんが、彼が薬を飲んでいて、7月からの3カ月近くを自宅で静養していたという話は正しいのかなと感じました。

──前日に、バイデン候補が、息子の紹介でウクライナの会社の幹部と会ったとの報道がありました。

酒井:そうなんです。先ほども触れましたが、この話が全く出てこないというのは不自然です。大体、ウクライナと言えば、エネルギー輸出が重要なわけで、グリーンニューディールとはバッティングするはずです。

 この件に関しては、この報道を最初にすっぱ抜いたニューヨークポスト紙も、その数時間後に、フェイスブックとツイッターからアカウントを削除されています。それを受けて、上院がツイッターの社長に召喚状を出しました。まあ不自然さもここまで来ると、何とも言い難い感じですね。