生ぬるい質問ばかりだったバイデンのタウンホール

──同時タウンホールでは何か発見がありましたか。

酒井:まずABCニュースが放映したバイデンのタウンホールですが、生ぬるい質問ばかりで、バイデン候補の回答が今イチだった時は司会者が助け舟を出す、または次の質問に行くという状況でした。質問者や視聴者がどう感じたか興味深いところです。また、昨日(10月14日)に浮上した注目度大のニュース、すなわち副大統領時代のバイデン氏が息子の仲介で不正疑惑の渦中にあったウクライナ企業の幹部と面会していた、という話が抜けているのは不自然でした。

「生ぬるい」と酒井氏が切って捨てたバイデン氏のタウンホール(写真:ロイター/アフロ)

 また、黒人やLGBTなど差別を巡る話や、年収40万ドルを上回る人に対する増税案は明確でしたが、「トランプ政権になり、和平が実現した地域が増えたことで米兵の帰還が相次いでいることをどう思うか(つまり成果だと言うべきではないか)」「マイノリティに対する警察の態度をどう改めるべきか」といった質問者に対する答えは曖昧でした。

 なお、説明が不明瞭だったため、司会者が質問者に「理解できたか」と聞きただす局面もありました。タウンホールでは、事前に質疑をすりあわせる「出来レース」の場合が少なくありません。今回もそうだったように思います。

 また、質問者は民主党でも共和党でもない、またはまだ投票者を決めていないと紹介されましたが、質問内容からはそうは感じませんでした。ただ、質問者の半分はバイデン候補の回答に満足していなかったことが表情から読み取れましたし、バイデン候補の回答を聞きながらうなずく参加者がほとんどいなかったのは、おやっと思いました。意外と厳しい見方もあるのだなとの印象です。

 また、静かなのは良かったのですが、タウンホール全体として動きがなさすぎたように思います。