一般的に国防力の整備には長期間を要する。

 相手の軍事力の脅威が顕在化してからでは、国民の生命財産を脅威にさらす可能性がある。周辺国の軍事力整備の動向には常に意を払っておかなければならない。

 通常、仮想敵国となる国々については、注目して分析するが、同盟国とみなす国については、分析の対象としない。

 韓国は、米国と同盟を結んでいる。日本にとって、「味方の味方は、味方」という認識があり脅威と考えている専門家は少ない。

 このため、韓国の軍事戦略や装備に対する関心は低い。

 しかしながら、文在寅政権となってから、今までの政治、外交的対立のみならず、防衛関係者の信頼関係も大幅に低下している。

 このような状況下で韓国が軍事戦略を大幅に変更したということは、隣国として注目する必要がある。

弱まった北朝鮮と中国への脅威認識

 朝鮮戦争開始時の韓国軍は極めて貧弱な装備しか保有せず、一方的に北朝鮮軍に蹂躙された。

 米国をはじめとした国連軍の本格的な介入がなければ、韓国は消滅し、金一族独裁政権の朝鮮に統一されていたであろう。

 1953年に締結された米韓相互防衛条約前文には「太平洋地域における平和と安全保障のために協力する」こととされているが、米韓同盟の戦略的目標は北朝鮮に対する抑止と韓国の防衛が具体的目標であった。

 9.11後の新たな戦略環境、中国軍の活動活発化、そして米国自身の軍トランスフォーメーションなどの影響を受け、米韓同盟も新たな戦略目標の策定が課題となってきている。

 日米同盟同様に、国際公共財として「戦略的柔軟性」を持つことが期待されている。