米原子力空母と比較すると、圧倒的に防空能力が低い。このため、味方の航空優勢圏下または航空機による脅威が低い海域で運用すべき兵器といえる。

 日本海、東シナ海および南シナ海は、地上航空機や潜水艦の脅威が高く、空母の航空機を活用するメリットよりも、空母護衛のために兵力を割かなければならないというデメリットの方が大きいと考えられる。

 韓国空母機動部隊は、韓国の威容を日本に見せつけるための空母という位置づけでよいであろう。

突然「敵」になりかねない韓国

 日韓関係は、政治分野のみならず経済、さらには安全保障分野においてもその不信感は拡大の一途を辿っている。

 このようななか、韓国国内では、小型空母保有への反対論もある。

 その主な内容は、韓国が従来の国防装備に加え、小型空母の建造および運用に係る莫大な経費負担、さらには、前述したように、その費用対効果への疑問があるからだ。

 韓国の2020年度国防費は前年比7.4%増の50兆1527億ウォン(約4兆7101億円)である。

 これは、日本の防衛予算5兆3133億円とほぼ同じである。

 今回決定された小型空母やF-35Bの購入を加えると、今後日本を上回るのは確実である。日本と比較するとGDP(国内総生産)が3分の1、国民数が約半分の韓国が日本と同等以上の国防費を支出している計算となる。

 韓国国民は壮大な軍事力整備のために、大きな犠牲を払っているのだ。

 小型空母や原子力潜水艦の建造を決定しても、軍事費の負担に耐えられないなどの状況の変化に応じ、性能低減(スペックダウン)や、運用経費削減のため稼働率が低下することが予想される。

 現時点で、揚陸艦「独島」の稼働率の低さは有名であり、搭載している発電機4機すべてが使用不能となり、洋上を漂流した事故も伝えられている。

 韓国が日本を脅威と捉え、防衛力を整備していくことは韓国の権利であり、これを止める手段はない。

 とはいえ、ここまでして、攻勢的で外洋で戦う準備を進める韓国軍の動きには、注意が必要であり、自衛隊が常時行っている警戒監視活動の対象には韓国を加えるべきである。

 ナポレオンは「真に恐れるべきは有能な敵ではなく無能な味方である」という名言を述べたが、本当に恐れなければならないのは何時敵に転ぶか分からない味方であろう。