新型コロナウイルス感染症の広がりで都市の封鎖が続く中で、オンライン教育の重要性が増している。先進国や中国、韓国に比べて日本の後れは致命的だ。

1. 政策対応の不備に真摯な反省を

 安倍晋三総理は4月7日に緊急事態宣言を発出した。しかし、そのタイミングは遅すぎたとの批判がある。

 緊急事態宣言のタイミングのみならず、3月下旬以降の日本政府の新型コロナウイルス感染症への政策対応は様々な点で遅れや不備が目立っている。

 新型コロナとの戦いは長期戦になると言われている。これからでも過去の政策対応の遅れや不備を挽回できるチャンスはいくらでも残っている。

 そのためには、これまでの戦いの中で、経験した失敗と真摯に向き合い、その原因となった行動を謙虚に反省し、その反省の上に立って今後の政策対応を進めていくことが必要である。

 その姿勢が、これまでの失敗の経験を糧に新たにパワーアップして新型コロナとの戦いに立ち向かう原点となる。

 しかし、政策対応の失敗を素直に認めず、失敗の原因をきちんと究明せず、真摯な反省に基づいて政策を練り直す謙虚さを持っていなければ、このままずるずると同じ失敗を繰り返すこととなる。

 その失敗の代償として日本で暮らす人々の命と健康と安心が失われ、人々が長期にわたる経済停滞と生活困窮に苦しむことになる。

2. 緊急事態宣言発出の遅れ

 世界各国で感染者数が爆発的に増加する中で、3月までは台湾と日本は例外的に感染者数の急増が抑えられており、世界から注目されていると言われていた。

 しかし、3月末頃から事態は急変する。日本政府の政策対応の遅れが各所で目立ち始め、多くの国民が政府の対応に不信感を抱き始めている。

 その代表的な問題点は緊急事態宣言発出の遅れだった。

 これについて、WHO(世界保健機関)事務局長上級顧問の渋谷健司氏は、多くの医師が早期の緊急事態宣言発出の必要性を訴えていたにもかかわらず、政府による発出は1週間遅かったと指摘し、以下のように述べている。