医療支援のため武漢市へ向かう医療スタッフ(2月14日、写真:新華社/アフロ)

1.新型コロナ感染拡大状況

 日本国内でも新型コロナウィルスCOVID-19の感染者が急速に広がり始め、毎日の報道で新たな情報が詳しく伝えられている。

 この間、中国国内では依然、COVID-19の感染者数の増加が続いている。

 2月15日時点の累計感染者数は6万8500人(うち湖北省5万6249人)、感染の疑いのある人数は8228人(同5243人)、死者数1665人(同1596人)、治癒した人数は9419人(同5623人)。

 このデータから単純に致死率を算出すると、中国国内全体では2.4%、湖北省では2.8%、湖北省以外では0.6%である。

 このように、湖北省とそれ以外では感染状況や致死率の点で大きな違いが生じている。

 ただし、新型ウィルスCOVID-19の特徴として、感染していても発症しない、あるいは軽度の症状で回復するケースが多いことから、実際の感染者数は上記の数字よりはるかに多く、致死率ははるかに低いものと推定される。

 複数のメディアが伝える専門家の説明によれば、日本国内では毎年約1000万人がインフルエンザに感染し、そのうち約1万人が死亡しており、致死率は0.1%程度である。

 COVIT-19の致死率はこれに比べれば高いが、2003年に中国で流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)の致死率9.6%に比べればはるかに低く、通常のインフルエンザの方に近い。この点から言えば、それほど恐れる必要はない。

 しかし、現時点ではワクチンが存在せず、検査機器も不十分であるため、やはり不安は大きい。

 予防のための手洗い・うがいの励行と重症化を防ぐための良好な健康状態の維持による抵抗力の増進が重要である。