人生逆転狙う20~30代も

 問題は、もっと「大胆な」投資に乗り出している投資家も少なくないことだ。

 韓国紙デスクはこう話す。

「人生逆転を狙えとあおっている勢力がいる。特に、20~30代の中には、不動産投資は遠い世界の話だったし、株式も無理だった。それが、株価の急落で、目の前にチャンスがやってきたような錯覚に陥っている」と危ぶむ。

 今、韓国株を買っている個人投資家はだいたいこう話す。

「新型コロナウイルスの流行はいずれ収まる。これに対して、サムスン電子や現代自動車、ポスコなど韓国の大企業は絶対に倒産しない。もう少し株価が下がっても、大けがを負うことはない」

 韓国の証券市場では、外国人に加えて機関投資家が「売り」に出て、今のところ、個人投資家を圧倒している。

 さらに韓国経済に新型肺炎の影響が出るのは「まだこれから」という見方が多いが、個人投資家はそうは見ていないのだ。

あの時もそうだった

 韓国の財閥役員はこう嘆く。

「1997年のIMF危機の時も、10年後のリーマンショックの時も、外国人と機関投資家がドカンと売りに出た。主要企業の株価が急落し始めたとき、個人投資がこれを買う動きはこの時もあった」

「だが、経済危機の衝撃は予想以上で、ずっと株式を保有し続けて後で得をした投資家などほんのひと握り。資金を豊富に持っている連中だけだった」

 筆者の知人のように余裕資金で投資している場合は、何とかなる。問題は、信用買いなど無理な借金をして「一発勝負」に出ている投資家だ。

 新型肺炎の流行で韓国でも全体としては、鬱々とした雰囲気が漂っている。だが、株式市場では、一部投資家が危険な戦いを挑んでいる。