モニターに見入る韓国の為替トレーダー(3月5日、写真:AP/アフロ)

「えっ?」。思わずのけぞってしまった。

 40代の韓国人知人は、「今こそチャンスですよね?」と聞いてきたのだ。急落が続く韓国株についてだった。

 新型コロナウイルスの世界的な流行は韓国経済にも大きな影響を与えている。感染者増加数こそ、3月第3週目になって100人以下に落ち着いてきたが、なお予断は許さない。

 特にここ数日は、欧米からの入国者の感染者が急速に増えているのだ。

 航空、観光業や飲食店などすでに大きな打撃を受けている業種も少なくない。さらに、韓国は輸出依存度が高く、世界経済の低迷は、主力産業に影響を与える可能性大だ。

韓国株も急落中

 そんななか、韓国の主要企業の株価も大幅に下がっている。

 サムスン電子の株価は、1月20日には6万2800ウォンだったが、3月19日には4万2300ウォン(1円=11ウォン)に急落した。

 総合株価指数も、1月20日の2262ポイントから3月19日には1457ポイントに下落した。

「株安・ウォン安」のダブルパンチは、米連邦準備理事会(FRB)が3月19日に、韓国銀行(中央銀行)など9か国の中央銀行と通貨交換(スワップ)協定を結んだことで、3月20日には持ち直したが、週明けの23日以降は再び元に戻ってしまった。

 そんな中、韓国の株式市場で、大決戦が繰り広げられている。