このようにして採取したサンプルは、まず固形物の中からマイクロプラスチックのみを分離します。塩化ナトリウム溶液を用いて固形物を沈降分離し、目視での判断をしやすくした状態でプラスチックの可能性があると判断された固形物を手作業で抽出します。これは非常に根気と手間を要する作業です(写真4)。

写真4:固形物からプラスチックと思われるものを抽出する作業

 その後、FT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)を用いた成分分析および、マイクロスコープを用いた外観の撮影や大きさの測定による分析を行います(写真5)。FT-IRを用いて読み取った固形物のスペクトルから成分を同定するプロセスは、東京工業大学の福原学准教授(分析化学)のアドバイスを受けて実施し、品質を担保しています。

写真5:FT-IRを用いた成分分析の様子(ピリカ提供)

 このようにして調査をしたことで、意外な調査結果が浮かび上がってきました。次回はその調査結果についてレポートします。

浮遊するプラごみで最も多いのは人工芝だった!
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58486

都市部になく地方で多かった意外なプラごみの正体
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58487