日本は、ごみの分別のきめ細かさでは、世界一だろう。
とりわけ家庭用のプラスチック容器分別は、リサイクル可能なようにきれいに洗い、容器を小さくして出す。
日本の年間プラごみ(廃プラ)排出量は約900万トン。東京ドームの3個分ほどになるそうだ。その約90%は自治体などの回収業者に運ばれ、処理される。
ほとんどの日本人が、「自分たちの努力が報われる」と信じているからこそ、手間暇をかけ、分別に努めているといっても過言ではないだろう。
一方、日本を含め世界で排出される廃プラの多くが、汚れで他のごみと混ざっていたり、加工が困難、さらにはコスト高という3重苦に実は喘いでいる。
世界で回収された廃プラの10%しかリサイクルされていない現実がある。
それでは、日本で分別された廃プラはどこに行くのだろうか。
(https://www.youtube.com/watch?v=kNUHpObiaAA)
実は、日本や欧米などの先進国から出た廃プラの多くは、「リサイクル可能資源」として、発展途上国などに輸出されている。
環境省などの調べでは、日本の場合、年間500億円相当の廃プラが輸出されているという。
しかし、ここにきて先進国の廃プラ処理対策が、大転換を迫られる事態に直面している。フィリピンでは、カナダとの間で外交問題までに発展している。
「世界のごみ捨て場ではない」
5月28日、マレーシア政府は、不法輸入された廃プラを輸出元の国々に強制送還する方針を明らかにした。押収されたのは、コンテナ60個分で計約3000トン。
該当国は次の9か国。