「子供に申し訳ない。周りの親も、こんな思いで落ち込んでいる」という。

 親が普通の社会人で、「特権」を行使することができず、子供に厳しい受験勉強を強いることを「自分の責任」だと思っているというのだ。

 進学、受験問題、子供問題は、10代だけでなく、30代や40代にも深刻な問題だ。経済的に困難で子供に十分な受験準備の機会を与えることができないことが、親にとって、相当なダメージなのだ。

 日本とは、かなり異なる「超競争社会」のストレスを垣間見た思いだった。

 自殺統計を見て、もう一つ考えさせられてしまった。

所得主導成長論

 高齢者の自殺率がこれほど高いことの驚きだ。

 文在寅(ムン・ジェイン=1953年生)政権は発足以来「所得主導成長論」を掲げている。

 最低賃上げの引き上げ、非正規職の正規職への転換、さらに高齢者向けに週数時間働く短期雇用の拡大などを一気に推し進めている。

 こうした経済政策は、大企業から見れば、負担を強いられ、国際競争力を低下させかねない政策だ。

 また、雇用対策に積極的に財源をつぎ込む「ばらまき政策」という批判を浴びかねない。