ところが、自殺統計を前にすると、何が必要な経済政策なのか、考えさせられてしまう。

「毎日経済新聞」は10月7日付で青瓦台(大統領府)の経済首席秘書官のインタビューを掲載した。

 この中で「増加しているという雇用の大半が、老人の一時的な職に過ぎないという批判がある」という質問にこう答えた。

「1955~1963年まで毎年100万人が生まれ、いま85万人程度が残っている。毎年この層が60歳以上の高齢層になる」

「この多くの層がある時期急に職を失うことの方がより深刻な問題だ。老人向けの仕事は、1日1~2時間働いて月収が27万ウォン(1円=11ウォン)に過ぎないという批判もあるが、こういう仕事でも当事者にとっては大事だ」

 何とも意味深長だ。ばらまき批判を受けても、必要な措置だと言われれば、自殺統計の前では反論の言葉が浮かばない。

 2018年の自殺者が増加したことについては「ウェルテル効果で一時的だ」という指摘もないわけではない。

 メディアが有名人などの自殺を報道したことに影響を受けて同じ選択をする例が増えることを指すが、2018年の統計を見ると、1月、3月、7月の自殺者が増えた。

 歌手、芸能人、政治家の自殺が大きく報道された時期で、この影響があったことは否定できない。

 それでも、韓国の自殺者が国際的にみても多いことは明らかだ。

 熾烈な受験、就職競争、不安的な雇用と経済格差拡大、年金制度の遅れなど不安的な老後・・・。

 韓国は、1960年代以降に「圧縮成長」といわれる効率重視の経済成長策を続けて成功したが、社会のセーフティーネットの整備は、まだこれからだ。

 自殺という極端な選択を防ぐ対策に総力戦で臨むべきだ。