これまでの中国の軍事パレードを振り返ると、1999年に初めて大陸間弾道ミサイル(ICBM)の「東風31(DF- 31)」が公開され、2009年には中国の武装部隊の技術的な進歩が明らかになったと記事は指摘している。

「2009年の軍事パレードでは急速に主要国に追い付きつつあることが示され、国内外の人々の中国軍に対する印象を大きく変化させた」と述べている。

 カシン氏によると、中国の軍事パレードは2015年からより注目すべきものになった。

 当時、中国は戦略兵器の面で進歩を遂げており、初めて「東風5B(DF-5B)」ICBMと「東風16(DF-16)」「東風26(DF-26)」中距離弾道ミサイルが世界中の人の目に触れることになった。

 その2年後には、人民解放軍創立90周年を記念する軍事パレードが行われ、移動式固体燃料ICBMの「東風31AG(DF-31AG)」が公開されたと記事は紹介している。

 その上でカシン氏は、「今年の軍事パレードも例外ではなく、中国はこの機会に軍事面での成功をアピールした」とし、「中国は多くの『東風41(DF-41)』を一斉に展示した。

 中国がこうしたミサイルを量産していること、および効率的に製造できる能力を有していることを示すものだった」と述べている(『Record China』2019年10月4日) 。

 軍事パレードにおいて、「軍事闘争準備」に怠りがなく、「戦って勝てる」軍事力の建設が進んでいることを誇示することこそ、共産党と自らの独裁権力を維持するための力の源泉であると、習近平主席自らが確信していることを示唆している。

 習近平主席の念頭には、毎年軍事パレードを挙行した毛沢東に自らをなぞらえ、毛沢東を継ぐ独裁者たらんとする意図もあるとみられる。

 逆に言えば、習近平氏の場合は、軍務についた経験がなく、カリスマ性にも欠ける。

 また江沢民氏の隠然たる権力に対抗するためにも、頻繁に軍事パレードを行うことにより、その実力を成果として何度も誇示しなければ不安になるという、習近平主席のコンプレックスが表れているとも言えよう。

 軍事力の誇示によって実績を示さなければ自己の統治の正当性を党内の反対派や人民に納得させられないのではないかという不安は払拭されてはいない。