頻繁な軍事パレードの意味

 しかし今回も93歳の江沢民氏が両脇を抱えられながら、習近平の隣に並び、その健在ぶりを示した。白髪が目立ち弱った様子の胡錦涛氏とは対照的であった。

 中国共産党の歴史では、軍事パレードは、時の中央軍事委員会主席が統治の成果を誇示する場として利用されてきた。

 毛沢東は建国以来1959年まで11回連続で毎年軍事パレードを行った。それ以降長く途絶えていたが、鄧小平時代の1985年に再開された。

 それ以降歴代の主席は、退任近くの在任間に1回軍事パレードを挙行するのが慣例であった。江沢民氏は15年ぶりに1999年に軍事パレードを行い、胡錦涛氏は2009年に軍事パレードを行った。

 しかし、習近平主席は2015年の「抗日戦争勝利70周年」、2017年の「軍創設90周年」に続き、中央軍事委員会主席就任以来6年半で、これで3回目の軍事パレードを行っている。

 なぜ、このように頻繁に軍事パレードを行うのだろうか?

 習近平主席は、軍事力こそが、国際間の闘争における決定的なパワーであるとする、マルクス・レーニン主義、さらに「銃口から政権が生まれる」とする毛沢東思想の伝統的な戦略思想を継承している。

 第19回党大会の基本戦略の一つである、「党の人民軍隊に対する絶対的指導の堅持」でも、「指揮系統を統一し、戦って勝てる優秀な人民軍を建設」することが「中華民族の偉大な復興という戦略目標を達成するための基盤」であるとされている。

 この意味で、軍事力整備の成果を本物の部隊や装備で誇示できる軍事パレードは、習近平主席にとり、極めて重要な意義を持っている。

 では、同氏が誇示しようとしている今回の軍事パレードの内容には、過去と比較してどのような特色があるのだろうか?

 2019年10月2日、中国・参考消息はキューバメディアの報道を引用し、ロシア人軍事専門家バシリー・カシン(Vasiliy Kashin)氏による、今回の軍事パレードの重要性についての分析結果を報じている。

 今回の軍事パレードのために中国は数カ月間をかけて十分な準備作業を行ってきたと記事は紹介し、軍事パレードの重要性は「未公開の武器の登場と中国の近年の軍事的進歩を示すこと」にあると論じている。