アルザスはワイン文化の街か? ビール文化の街か?

フランスとドイツの「国境の街」で味わう食の多様性

2019.10.04(Fri)佐藤 成美

フランス側もドイツ側もワインの産地

 フランスはワインの国として知られる。しかし、ここの人たちはビール好きでもあるようだ。レストランでビールを飲む姿をよく見かけたし、スーパーマーケットのビール売り場も広かった。

 そして、ビールのおともは、ドイツ名物「プレッツェル」。結び目の形をした塩味のパンである。パン屋ではクロワッサンやバケットの隣に、プレッツェルも堂々と並んでいた。アルザス地方ならではの光景だろう。

(上)ストラスブール市内のスーパーマーケットでのアルザスワイン販売棚。白ワインが多い。(下)アルザスワイン街道沿いのレストランで出されたワイン。

 もちろんワインもよく飲まれている。名物はアルザスワインで、白ワインが多い。赤ワインは少ないが、ロゼワインはよく飲まれているようだった。緑色の足のついたワイングラスで供され、ワインの瓶はドイツワインに似た緑色で細長い形をしている。香りがよく、さわやかな甘さがある。味わいはドイツワインに似ていると感じた。そう、すぐそばのライン川を越えた畑で作れば「ラインワイン」と名前が変わるのだ。

 ライン川流域はブドウの栽培が盛んで、各地にワインの名産地が点在する。フランス側はアルザスワインの産地、川の向こうのドイツ側ではラインワインの産地となる。

 ストラスブールからほど近いヴォージュ山脈の丘陵地一帯はブドウ畑が続き、170kmにわたる「アルザスワイン街道」として知られる。街道の途中には、これまた中世の街並みを残した美しい風景の村が点在する。どこの村も城壁で囲まれているのは、領土争いのころ攻撃者から村を守るためだった。

 カーヴとよばれるワイン貯蔵庫は、ブドウ畑の隣ではなく、城壁の中にある。城壁の中のワイナリーでは、ワインを試飲させ、販売している。ワインとともに名物料理を提供するワイナリーもたくさんあった。あるレストランでは、ブドウの枝の薪で肉を焼いているのが印象的だった。

アルザスワイン街道の風景。ブドウ畑があちこちに見られ、途中の街にはワイン貯蔵庫やワイナリーもある。
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