専門家の分析はともかく、政府としては「Dの恐怖」などという物騒な言葉が出ている以上は、何とかこれを打ち消さないといけない。

 といって、妙手があるわけでもなく、結局、「財政頼み」にならざるを得ない。

 政府は、8月末、2020年度の予算規模を2019年比で9.3%増やして513兆5000億ウォン(1円=11ウォン)規模とする方針を決めた。

 予算規模が500兆ウォンを超えるのは初めてだ。雇用対策や少子高齢化に伴う対策費など保健福祉労働関連予算が12.8%増の181兆6000億ウォンに膨れ上がるほか、インフラ整備費用も同12.9%増の22兆3000億ウォンに増える。

 積極財政で、経済を何とか下支えし、2020年4月の総選挙で勝利したいという意欲が強くにじむ予算編成になった。

 日本の事情に詳しいエコノミストはこう話す。

「日本も物価下落と少子高齢化が急速に進み、政府は超積極予算を組んだ。景気回復にはつながらず、財政悪化がどんどん進んでしまった」

「今の韓国も経済が悪化しているのだから、積極財政に乗り出すのは良いが、どこまで効果が上がるのか。日本がたどった道を歩むことだけは避けたいが・・・」

 もう一つ。韓国で最も懸念が強まっているのが、「不動産」の先行きだ。

 家計負債は1500兆ウォンを超えてしまった。その多くは不動産向けだ。いったいどうやって返済するのか?

 日本型不況を恐れる大きな理由はここにある。

「D(=デフレ)の恐怖」が、韓国を徘徊している。