「コク」がカレーをおいしくするといわれるが、「コク」とは何を意味するものなのだろうか。

 いよいよ夏本番。暑い日はカレーが食べたくなる。カレーのおいしさは、スパイスの刺激だけではなく、その刺激とともに感じる「コク」にもあるといわれる。でも、そもそもコクってなんだろう。どうすれば、カレーはおいしくなるのだろうか。

「シャバシャバ」にも「ドロドロ」にもコクは大切

 少し前に「近くのシャバシャバなカレー」とカレーの店を検索するグーグルのCMがあった。この表現から「さらりとした水っぽいカレーのことだろう」と容易に想像できたものの、「シャバシャバ」という言い方をするとは知らなかった。

 インターネットで検索すると、どうやらカレーソースの好みは、さらりとした「シャバシャバ派」と、どろりとした「ドロドロ派」に分かれるらしい。ネット上では「あなたはどちら派か」と、さまざまな調査がなされていたが、どれも「ドロドロ派」が勝利していた。

 家で作ったカレーが水っぽくなったとき、小麦粉やジャガイモを足してなんとかとろみをつけたものである。一方で、カレー専門店の中には、シャバシャバを明確に意識したカレーを提供しているところもある。しかも、シャバシャバでありながら、深みのある味に仕上げている。

 また、どろりとしたカレーでも、市販のカレールーに隠し味を加えるとより本格的になるとして、さまざまな「チョイ足し技」が紹介されている。とりわけ典型的なものが、インスタントコーヒーやチョコレート、チーズなどを隠し味に加えるというものだ。長時間煮込んだようなカレーを短時間で実現したいときに、こうした隠し味が役立つようである。

「シャバシャバ派」と「ドロドロ派」。好みは分かれるだろうが、どちらのカレーでも聞かれる、おいしさの要素がある。「コク」だ。