サービスの極意は「1分間に60点」
僕は「1分間に60点」と言っているんです。
老舗の蕎麦屋でも高級フレンチレストランでも、接客に当たるサーバーは1人でだいたい6~8テーブル担当する。
ある席で時間をかけて接客し、楽しく過ごしてもらい、お客さんが「今日はありがとう」と言って帰っていったら100点。
別の席で、ここは蕎麦がなかなか出てこないとか、1回も挨拶に来ない、勘定が間違っているということがあれば、それは0点どころかマイナスです。
だから、例えば同じ常連さんでも「ちょっと苦手」な方へまず行け、と僕は言っている。
そこで挨拶して、少しでも楽しい気持ちになってもらい、赤点じゃなく及第点まで上げろ、ということ。それが60点です。
半分冗談ですけど、「ここはもう60点取れた」と思ったら、たとえ目が合っても無視しろと言っている。
もちろん、1分間はちゃんと行くんですよ。ギリギリまでいる。
後ろ髪を引かれるくらいがちょうどよくて、「じゃあ、川嶋さん、あとはごゆっくり」と言って去っていき、「え、新川ちゃん、もう少ししゃべろうよ」と言われるみたいな感じがいい。これが経営の根幹です(笑)。