再エネ施設は適切なゾーンで

(2)“超高値の案件”に係る負担軽減

 FIT法では、「経済事情に著しい変動」が起これば、認定済み案件や稼働済み案件の買取価格・買取期間を事後的に変更できるとされている。再エネ導入に伴う国民負担を肥大化させないためとはいえ、いったん決めたものを事後的に変更することは、そう容易なことではない。

 だが、12~14年度認定の事業用太陽光に代表される“超高値の案件”の買取価格・買取期間を事後的に変更できるようにもしておかなければ、今後の再エネ大量導入に向けて、国民負担は間違いなく肥大化の一途を辿る。

 既稼働案件であれ、未稼働案件であれ、例えば下図のように、超高値の案件に係る買取価格・買取期間を事後的に変更できる環境を整備しておく必要がある。前例のない工夫を凝らさなければ、再エネ導入に伴う国民負担の増大を緩和させることはできない。

買取価格のイメージ:買取単価(縦軸)は引下げ、買取期間(横軸)は長期化。買取総額は不変

(3)適地の『ゾーン設定』による立地円滑化

 再エネ電源の立地にも、安全面や環境面での制約がある場合が少なくない。FIT施行直後から爆増した事業用太陽光は例外として、その他のほとんどの再エネ電源種の導入実績は限定的だ。

 今後、風力・バイオマス・地熱・中小水力の導入量を増やしていくには、適地をあらかじめ『ゾーン設定』することも効果的だろう。再エネ導入に意欲的な自治体に対して、そうしたゾーン設定を促す仕組みを新設する必要がある。

 バイオマスは“カーボンニュートラル”なので、化石燃料の代わりにバイオマスを利用すれば、事実上、CO2排出量削減は可能となる。ただ、パーム油などバイオ燃料に関しては、その大半が輸入材で、外国での“森林破壊”への懸念もある。環境面で一定の客観的評価を受けたバイオ燃料の普及こそ適格だ。

 このため、バイオ燃料発電に関しては、国内で既に着手されている先行事例のように、パーム油生産国におけるバイオ燃料の生産・輸出の合法性を含めた燃料の持続可能性がしっかり確保されたもの以外は導入しないよう、引き続き厳格な運用がなされていく必要がある。

(4)出力変動のない電源(バイオマス・地熱・中小水力)の優先接続

 自然変動電源である太陽光・風力の円滑な導入には、火力や水力によるバックアップが必須だが、これは再エネ関連コストの上昇要因の一つになっている。他方で、バイオマス・地熱・中小水力は出力変動のない『安定電源』である。

 安定電源の導入をより促進することで、再エネ導入に係るコストを少しでも抑制できるのであれば、バイオマス・地熱・中小水力について、太陽光・風力よりも優先的に接続するようなルール設定を検討すべきだ。