12年7月のFIT施行以来、再エネ導入量は相当に増えてきた。震災前の10年度、直近17年度、30年目標のそれぞれの電源構成は次の通りだ。

2010年、2017年の電源構成と、2030年の電源構成目標(筆者作成)

 政府が18年7月に打ち出した「エネルギー基本計画」では、再エネを将来“主力電源化”することを目指している。

 ただ、大型水力や事業用太陽光、一部のバイオマス(一般木質等、パーム油)は別として、住宅用太陽光や風力、バイオマス(未利用材、メタン発酵ガス)、地熱、中小水力などは、FIT認定実績も導入実績もまだまだ少ない。

 FIT制度は、再エネ投資の回収に予見可能性を与えることで投資の促進を図るもの。再エネの主力電源化を目指す以上、FITは今後とも一定程度の役割を担っていくはずだ。

 エネルギー基本計画はまた、FITも含めた再エネ関連制度について、再エネ利用促進と国民負担抑制を両立させるべく、20年度末までに抜本的見直し(=大改革)を行うと謳っている。冒頭で述べたように、再エネ買取に係る費用負担があまりにも巨額だからである。

再エネ関連コストをどう抑えるか

 国民が負担する再エネ関連コストをどう引き下げていくか――これこそが、再エネを主力電源化していく際の最も困難な課題だ。そもそも日本での再エネ関連コストは諸外国と比べても非常に高い。主因は次の通りだ。

①参入条件(FIT認定や環境アセスメントなど諸手続きに要する費用・時間)
②工事費等(多重下請け構造に起因する工事費の高さや、土地代の高さ等)
③系統制約(再エネ向け送電網の整備に要する費用・時間)
④出力調整(自然変動電源である太陽光・風力への火力・水力による補完)
⑤価格規制(FITに基づく買取価格と賦課金)

 FITなど再エネ関連制度について、20年度末までに抜本的見直しを行うとするならば、再エネ関連コストの引き下げに繋がる大改革案として考えられるのは、例えば次の(1)〜(5)のようなことだろう。

(1)“不適格な未稼働案件”の認定取消しの迅速化

 FIT認定は受けているものの、高い調達価格の権利を保持したまま運転が開始されていないという“不適格な未稼働案件”が大量に滞留することで、国民負担の増大が懸念されている、新規開発・コストダウンが進まない、系統容量が押さえられてしまうといった課題が顕在化している。これは特に、事業用太陽光で非常に多く見られる。

 このため、12~14年度認定の事業用太陽光について、運転開始時期に合わせた適正な調達価格の適用や運転開始期限の設定といった措置が18年12月に講じられた。それでも、不適格な未稼働案件が一掃されるには至らない。

 事業用太陽光も含め、残存してしまう不適格な未稼働案件に対しては、今後とも不断の監視を続けるとともに、認定取消しが迅速に行われるための基準を明確化していく必要がある。