「スーパーサイクル」と呼ばれた空前の半導体好況に暗雲が漂い始めているとはいえ、半導体は韓国の看板産業だ。
サムスン電子とSKハイニックスは、2018年にそれぞれ6兆円、2兆円もの利益をたたき出した。そんな2社が、「電力確保」で予想外に苦労し、苦肉の手を打つことになった。
2019年3月4日、SKハイニックスは主力の利川(イチョン)、清州(チョンジュ)工場内に、それぞれLNG(液化天然ガス)発電所を建設すると発表した。
2020~2022年に1兆6800億ウォン(1円=10ウォン)を投じて、570メガワット級の発電所を建設する。それぞれ一般家庭50万世帯に電力を供給できるほどの規模だ。
脱原発政策とは無関係との説明
「電力の安定的な確保のため」という説明に、産業界でも驚きの声が上がった。小規模のバックアップ用発電所としては規模が大きいからだ。
今の政府のエネルギー政策に批判的なメディアはこのニュースに飛びついた。
文在寅(ムン・ジェイン=1953年生)政権は、「脱原発政策」を進めている。
環境問題や将来のエネルギー需給、電力料金などの面で批判的なメディアは、「今の政権の脱原発政策によって将来、十分な電力を確保できないという懸念を持ったため」と報じた。
政策批判の格好の材料になってしまった。